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社長のひとりごと

ワークライフバランス

2022-08-05
ワークライフバランスを訳すと「仕事と生活の調和」。
 
その本来の意味は、仕事の効率化で自由になる時間を増やし、その時間を使って仕事で成果を上げるために勉強と努力を続け、スキルを身に付け、そのスキルによって仕事をさらに効率化させて生活の充足を図るという好循環をつくること。
 
 
ところが、この言葉を「私生活と仕事のどちらを重視するか」という取捨選択と解釈したり、あるいは「労働時間を減らして余暇に充てる時間を増やすこと」と受け取ったりする誤解が広まっているように思う。
 
 
これは、仕事と生活をめぐる考え方の根本的な誤りである。
 
人生において仕事と生活を二者択一的に考えるべきではない。
 
僕が思うに、人間にとって仕事は生活そのもの、生活は仕事そのものだからだ。
 
 
 
「お金が十分にあれば働くのをやめて、のんびり趣味に生きたい」という人が増えているように感じる。
 

なかには仕事が忙しくて趣味が十分にできないから仕事を辞めてフリーターになるという人もいる。
「趣味が目的であって、仕事は手段だ」と言う人もいる。
 
生活重視、大いにけっこう。
それも一つの生き方である。
 
ただし、仕事をする中でストレス解消や心を解放するために趣味があるとしたら、仕事を一生懸命やるからこそ趣味があるのだ。
趣味だけを一生懸命楽しむのなら、それはもはや趣味とは言えないのではないだろうか。
 
 
趣味礼賛の傾向が社会全体に蔓延すれば、ただでさえ弱っている日本の経済力が低下するばかりか、ついには精神的に病んでしまうのではないかとさえ危惧してしまう。
 
 
 
一方、私生活を大切にする反動で、今の日本には「仕事人間」を軽んじる風潮が広まっているようにも感じる。
「家族との時間や自分の趣味の時間をたくさん持つ人間が増えるのが豊かな社会の証拠だ」という価値観である。
 
 
しかし、本当にそうだろうか?
 
 
人は「自由で楽しい」趣味の世界だけでは生きられないはず。
 
なぜか?
 
人間にはもともと他者と競い合う本能が備わっているからだ。
 
人は勝ち取るものやクリアすべき課題があるからこそ前向きに生きていける。
 
仕事こそがその課題そのものなのだ。
 
 
僕に言わせれば、「ワークライフバランス」という言葉自体がおかしい。
 
ワークとライフはバランスを取るものではなく、人生において「ワーク=ライフ」なのである。
 
 
誤解してほしくないのだが、僕は「人一倍働け」と言っているわけではない。
 
遊びたい人はどんどん遊べばいいし、休みたければ休めばいい。
 
誰も命令していないし、また命令されるものでもない。
 
 
生活を重視してできる仕事は所詮その程度なのかもしれない…
 
「仕事か生活か」という発想からは、仕事をする上で充実感もおもしろさも味わえない。
 
 
なぜなら…
 
 
 
 
仕事は生活、仕事は人生だからである。
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